樹木葬の種類について

樹木葬とは、樹木や草花の下に遺骨を埋めるお墓のことです。樹木葬は、「じゅもくそう」と読みます。一般的なお墓によく使われる墓石ではなく、霊園（墓地）に整備された1本の木を墓標することからそう呼ばれています。そしてこの樹木葬には、埋葬の種類によって以下の3つに分類されます。

1.里山型

里山型の樹木葬は、人の手が入った森林に埋葬するスタイルです。管理された霊園や寺院ではなく、自生した木々に囲まれているため自然の中に返すこと意識した樹木葬といえます。ただし、里山は広い土地が必要なため、生活圏の狭い都心には用意出来ないケースが多いのです。都心在住の方は近場に里山型の霊園がないことが多いです。

2.公園型

次に公園型の樹木葬は、霊園の中に公園のような場所をつくり、その人工的な自然の中で埋葬します。主に桜の木やポプラなどを墓標にする樹木葬として他の種類と比べてもデメリットの少ないスタイルです。里山型に比べて、都心でも近場の霊園でも公園型を利用出来ます。それに施設や駐車場が整備されており、お墓参りに必要な水の確保や交通手段にも困らないのです。

3.ガーデン型

最後にガーデン型は、自然の庭をイメージした樹木葬の種類です。公園型が樹木を中心とした墓地とするなら、遺骨を埋めたスペースの周囲に草花を植えてヨーロッパ風の外観に仕上げたものです。一般的なお墓という印象を与えないため、おしゃれなスタイルを好む女性にも人気があります。

特にガーデン型には石畳やレンガで作られた地面を特徴としています。公園型同様にアクセスが良いのです。ただし、ガーデン型ではあっても樹木葬ではないケースもあるため、複数の霊園から探すときは庭園があるだけの普通の墓地と間違えないように注意しましょう。

樹木葬の埋葬方法と費用相場について

樹木葬の埋葬方法は管理する霊園や寺院によって違いがあります。中でも3つの埋葬方法が知られているのです。ここでは埋葬方法の概要と費用相場について説明します。

合祀型

合祀型では骨壷から遺骨を出して他の遺骨と一緒に埋葬する方法です。まとめて土に遺骨を埋めるため、一度合祀をすると後から特定の遺骨だけを取り出すということが出来ません。スペースの中に複数の穴を堀り、1人1つの穴に埋めるケースもあります。しかし、その場合はどの穴に埋められたのかわからないため、どちらにしても遺骨を取り戻すことは困難です。

ただし、費用は他の2つの方法と比べて最も安く、およそ7～20万円が相場です。区画が1人に当てられるのと、複数の遺骨をまとめて埋めるのでは大きく違い、土地の使用料や維持管理費が最小限で済むのです。

集合型

集合型は、樹木の墓標を植えてその周辺を複数の区画スペースに分け、その中に遺骨を埋める方法です。集合型では区切りが存在しますが、墓標が1つしかないので集合型と呼ばれます。費用相場は、管理地の広さや立地によって変化し、15万円〜50万円です。

個別型

1人1本の樹木を墓標とし、その場所の周辺に1つの区画に割り当てる埋葬方法です。個別型は、普通のお墓と同じように参拝出来るので、遺骨を埋めた場所を区別しやすいのです。個別型では、個人だけでなく夫婦や家族も同じ区画に埋めることが出来ます。その分、費用は高くなる傾向にあり、全体の費用相場としては35～80万円です。面積の狭い都市部の公園型は、100万円を超えるケースもあります。

樹木葬のメリット・デメリットについて

 ここでは樹木葬のメリット/デメリットについて説明します。まず、樹木や草花の下に遺骨を埋めるという特徴から、樹木葬は故人による生前の意思に添えることが大きなメリットです。宗教的な決め事とは関係なく「自然に囲まれていたい」、「死後は木の下に埋めて欲しい」など、一般的なお墓では難しいような希望も樹木葬なら叶います。メリットはそれだけでなく、1～2世代だけ利用したいというケースでも使えるのです。

また、樹木葬は基本的に永代供養が出来るため、供養する人がいなくなって無縁仏になることがありません。ただし、33回忌などを区切りとして合祀に移るため気をつけましょう。後は、費用的なメリットとして樹木葬の種類に「里山型」を選んで埋葬方法を「合祀」にするなら料金は10万円程度とかなり抑えられます。

一方、樹木葬のデメリットとしては、墓標ごとの区画が決められており、その範囲にしか遺骨を埋められないことです。家族全員分が埋められない場合、新たな区画を契約してスペースを足す必要があります。それから、お墓に対する考え方が親族の間で食い違う場合に事前に話し合っておかないとトラブルになるというデメリットもあります。そのため、生前にどんなお墓に入りたいのか意思表明をしておくことが大事です。それが出来ない場合は、樹木葬で埋葬する前に親族間で話し合って決めると良いでしょう。

宗教観にこだわりのない人は樹木葬がおすすめ

樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標にする新しいスタイルの埋葬方法です。宗教に縛られる必要がなく、好きな樹木や草花の下という希望の叶うため、一般的なお墓に入るのをやめて、樹木葬を選択する人も増えています。ただし、種類や埋葬方法によって違いがあるため、樹木葬を選ぶときは費用相場やメリット・デメリットを踏まえて検討しましょう。

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