日本消費者協会のアンケートによると、葬儀に掛かる費用は平均約195万円となっています。しかし近年では葬儀スタイルが多様化しており、平均費用が一概に正しいとは言えません。そこでここからは、一般的な葬儀の内訳について解説していきます。葬儀費用の内訳は、大きく分けて葬儀一式と飲食接待、寺院関連の3種類です。
葬儀一式費用は、ご遺体の搬送から火葬まで全ての工程にかかるお金のことです。葬儀一式費用の平均金額は約120万円です。コース料金を設定している葬儀社が多く、コースによって葬儀内容や葬祭用品などのグレードが異なります。コース内容に含まれていないものは、オプションとして追加費用が掛かるので注意が必要です。下記は、葬儀一式費用の主な内訳です。
・ご遺体の搬送
・会場使用費
・司会やスタッフの人件費
・霊柩車などの車両費用
・祭壇や棺といった葬祭用品の費用
・供物費用
・火葬費用
飲食接待費用は、通夜から葬儀までの飲食費用や香典返しなどに掛かる費用のことです。葬儀一式費用の30%程度が目安で、平均費用は約30万円と言われています。参列者の数によって大きく変動する項目なので、見積もりと請求書の金額に差が生じる可能性があります。家族葬の場合は、通夜を省略した一日葬にすると飲食接待費用を抑えられるでしょう。下記は、飲食接待費の主な内訳です。
・通夜振る舞い、精進落としなどの飲食費用
・宿泊する方の費用
・礼状や香典返しの費用
寺院関連費用とは、読経や戒名といった寺院関連費用のことを指します。お寺によって費用は異なりますが、平均金額は約47万円です。お布施の金額は、宗派や住んでいる地域によって異なります。どのくらいの金額のお布施を渡せば良いか分からないなら、事前にお寺に問い合わせてみることをおすすめします。下記は、寺院関連費用の主な内訳です。
・読経
・戒名料
・御車代
・御膳料
見積もりを確認する際は、どのような項目が含まれているか詳しく確認しましょう。見積もりに含まれていない項目があれば、全ての費用を含めた総額を聞いてください。コース料金の内容は、個別に金額を記載してもらうとより正確な数字が分かります。葬儀費用は、喪主が全額負担するのが一般的ですが、兄弟や親族間で分割することもあります。その場合は、しっかり話し合いをしてそれぞれの負担額を決めましょう。金額が曖昧のままで葬儀を迎えてしまうと、後からトラブルが発生する可能性があります。
地域別の葬儀費用は以下の通りです。平均費用が最も高い地域は「愛知、静岡、岐阜、長野、山梨」の約245万円で、平均費用が最も低い地域は「北海道」の約154万円です。
・北海道:約154万円
・東北地方:約202万円
・新潟、富山、石川、福井:約227万円
・千葉、群馬、茨城、栃木:約238万円
・東京、神奈川、埼玉:約186万円
・愛知、静岡、岐阜、長野、山梨:約245万円
・近畿地方:約189万円
・中国地方:約163万円
・四国地方:約156万円
・九州地方:約166万円
葬儀費用は形式や参列者数などによって異なるため、地域平均より大きく変動する場合があります。例えば、10人未満の葬儀費用は約65万円ですが、100人以上の葬儀は約195万円かかります。地域平均だけでなく、葬儀形式の平均予算なども参考にしてみると良いでしょう。
東京都の葬儀費用の平均は、約186万円だと言われています。東京都内は物価や地価が高かったり、参列者が多い大規模な葬儀が行われることもあり、平均金額が高くなっているのです。100人以上の参列者がいる一般葬の場合は、180〜190万円程度掛かると考えておきましょう。費用を抑えた一般葬を行う場合は、約90〜125万円まで費用を抑えられます。ただし、参列者へのおもてなしが最低限になるので、場合によっては印象が悪くなってしまうかもしれません。
アットホームな空間で家族葬をするなら、80万円程度まで費用を抑えられるはずです。最低限の費用で葬儀をしたい場合は、火葬式も検討しましょう。東京都の火葬式は約25〜40万円が相場となります。40万円程度の火葬式なら、落ち着いて故人を偲べる安置施設を利用できるところもあります。ゆっくり最後のお別れができるので、満足のいく家族葬となるでしょう。
葬儀費用を安く抑えたいなら、複数の葬儀社で見積もりしてもらい、比較検討してから葬儀社を選んでください。複数の葬儀社の料金を確認することで、市場より明らかに高額な料金設定をしている葬儀社を避けられます。また、葬儀の規模や形式を変更するのもおすすめです。安い価格帯の葬儀を選びたいなら、一日葬や火葬式を選ぶのが良いでしょう。葬儀の予算を葬儀社に伝えれば、その金額の範囲内で葬儀プランを考えてくれるはずです。
どのくらいの予算で葬儀をしたら良いか分からない場合は、各地域の平均費用を参考にすることをおすすめします。平均費用より大幅に安い葬儀社を選ぶと、サービスが良くないなどトラブルが発生する可能性があるので注意してください。見積もり金額が高い場合は、担当者に予算を伝えて、予算内でできる葬儀を提案してもらいましょう。
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