神道での葬儀の際に神社や神主へのお礼としてお渡しする、祭祀料。この祭祀料は、仏式でいうお布施に当たるものです。「祭祀」とは儀式を執り行っていただく事を指し、祭祀料は祭祀いただいたお礼に代えてという意味を持ちます。本稿では、神道での祭祀料について、詳しく解説をしていきます。
祭祀料は、神道において通夜祭や葬儀などの際に、それらを執り行っていただいた神社や神主などに対してお渡しする謝礼という位置づけになっています。神道での祭祀には、通夜祭や葬儀だけでなく、地鎮祭や厄除けなどがあります。そのため、祭祀料は弔事慶事に関わらず、神社や神主に儀式を執り行っていただいた際にお渡しするものとなっています。
祭祀料をお渡しするタイミングは、儀式が終了した後です。葬儀の場合は、通夜祭や葬儀など一連の儀式が終了したタイミングでお渡しするのが一般的です。祭祀料を入れる封筒は、基本的には白無地の封筒となっています。また、のし袋は弔事であっても濃墨のペンで書くようにします。
祭祀料にはいくつか種類があり、弔事や慶事に関わらずお礼としてお渡しします。葬儀に関する祭祀料の種類や金額相場は次のようになっています。
一般葬は、通夜祭と告別式を行う一般的な葬儀の方法です。一般葬の流れは、通夜祭や葬儀・告別式の後に火葬をし、遺体安置となっています。通常は、通夜祭の翌日に告別式が行われます。一般葬は、他の葬儀の方法と比べて自由度が高いため、納得のいく内容にすることができます。また、二日間に渡って行うため、参列者の方も参加しやすくなります。一般葬の場合の祭祀料の目安としては、神主がひとりの場合二十万円〜三十五万円、ふたりの場合は三十万円〜五十万円ほどです。一般葬では葬儀自体の費用と参列者への費用が他の方法と比べて多くかかり、またそれぞれの項目に対しての選択肢が豊富であることから、祭祀料の金額の幅も広くなっています。
一方で一日葬は、通夜祭を行わずに、通常二日かかる葬儀を一日で行う方法です。通夜祭を行わないため、通常の葬儀より葬儀費用を抑えることができます。また、告別式や火葬なども一日で執り行うので、体調面・精神面の両方で遺族や参列者の負担を軽減することができます。一日の流れとしては、通夜祭がないこと以外、一般葬など他の方法と大きな違いはありません。神道の葬儀では、地域や規模、神主の人数などによって費用が大きく変わる場合があります。目安としては、神主がひとりの場合十万円、ふたりの場合は十五万円となっています。しかしこちらも、質素な葬儀を執り行うか豪華な葬儀を執り行うかなど、選択肢によって金額の幅が広くなることがあります。
神主へお渡しする祭祀料は、葬儀を執り行っていただくお礼としてのものだけではありません。通夜祭や葬儀を執り行う際に用意するものとして、祭祀料の他にお車代やご膳料があります。これらはお渡しする際のマナーがありますので、マナーを守って失礼のないようにしましょう。
通夜祭や葬儀の際に神主に出向いてもらった際に、お礼としてお渡しするものです。お車代の金額は、五千円〜一万円ほどが一般的です。しかし、遠方から出向いてもらう際にはその金額よりお車代を多くお渡しします。お車代をお渡しするタイミングとしては、葬儀の後や通夜祭の前か後となっています。こちらも白無地の封筒に祭祀料とは別にして入れ、濃墨のペンで書くようにします。祭祀料・お車代ともに神主へ渡すものなので、薄墨で書かないように気をつけましょう。
ご膳料とは、食事の代わりにお渡しするお金のことです。葬儀の際に行われる会食の席などに神主が参加しない場合にお渡しする、お礼の代わりのものとなっています。そのため、祭祀料やお車代とは渡す意味合いが異なります。葬儀の際の会食に会食を催す場合には、会食の準備をしたり会場を移動したりすることがあります。この際に、一度神主に同席をお願いします。そして都合が合わなかった場合のみ、ご膳料をお渡しするようにします。いきなりご膳料をお渡しするのは失礼にあたりますので、気をつけるようにしましょう。こちらも地域や規模、神主の人数などによって費用が変わる場合があります。一般的には、お車代と同じく五千円〜一万円ほどを目安にお渡しします。神主が複数の場合なども、これをひとり分の目安としてお渡しします。また、ご膳料ではなく、代わりに料理の折詰をお渡しすることもあります。
祭祀料は、通夜祭・葬儀を執り行っていただいたお礼としてお渡しするものです。祭祀料だけでなく、お車代やご膳料をお渡しする際には、神主へ向けたものですので薄墨を使わないようにしましょう。また、お渡しする際には祭祀料がいちばん上に来るようにし、その次にお車代、ご膳料の順番で切手盆にのせるようにします。正しいマナーで、しっかりとお礼の気持ちを込めてお渡ししましょう。
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