法要とはなにか-その概要と諸宗教の儀式
「法要」とは、仏教の考え方で故人を偲ぶ儀式のことを言います。
似たような言葉に「法事」がありますが、厳密にはお経をあげる儀式のことを「法要・法会(ほうえ)」といい、食事などもふくめた供養の行事を「法事」といいます。
亡くなってから何度かの節目のタイミングで、故人を供養する仏事を行います。現在はインドの中陰がもとになった七仏事・中国由来の三仏事・日本特有の五仏事が加わった十五仏事が一般的に行われています。
この記事では仏教の法要について解説しますが、神道、キリスト教についても少しだけ触れます。
□神道の儀式
神道では、亡くなった翌日から一年後までいくつかの儀式を行います。
翌日祭:葬儀の翌日
毎十日祭:亡くなった日から10日・20日と50日まで10日毎
百日祭:亡くなった日から100日目
一年祭:亡くなった日から1年後
特に五十日祭と百日祭はねんごろに行います。
□キリスト教の儀式
キリスト教ではとくに「いつ行うか」という定めはなく、その地域や教会によって異なります。
また、その呼び方は宗派によって異なります。
プロテスタント:記念会 遺族の希望や地域の習わしに合わせて行われます。
カトリック:命日祭 命日祭の祈りが用意されています。
□無宗教で行った場合
亡くなってから1年の節目で「お別れの会」や「偲ぶ会」を行うことがあります。
詳しくは後述します。
どのような宗教でも、亡くなった後、いくつかの節目ごとに故人を偲ぶ機会が用意されています。
日本は死者供養を大切にしている国ともいわれています。
葬儀が終わりひと段落したあたりで法要のことを考えなければならず、大変だと感じることもあるかもしれませんが、故人を想い弔うことで悲しみや疲れも癒されていくものです。
法要の内容とその意味
以下は一般的な仏教式の法要の内容とその意味を解説しています。
行うことや意味合いは宗派や地域によって大きく変わりますので、くわしくはご縁のあるお寺やご親族にお尋ねください。
□すべての法要に通じる「意味」
どの宗教でも宗派でも、亡くなった方を想うことで供養するという意味合いは変わりません。
異なるのは内容やその回数だけです。大切な方が亡くなり、実体を伴っていなくなっても、その人のことを忘れずに想うことがなによりの供養で、そして生きている私たちのためでもあります。
□初七日~四十九日
インドに起源を持つ中陰の七仏事です。
一週間を一つの区切りとして、7回目の一週間まで毎週法要を行います。
日にちは、亡くなった日を1日目と数えます。
(例:3日に亡くなった時、初七日は12日)
現在では、初七日法要を葬儀の際に繰り上げて行うことが多くなっています。
また、二七日(ふたなのか)から六七日(むつなのか)法要は省略されることも多く、
次に行われるのは七七日(しちしちひ)=四十九日法要です。
四十九日をはじめとし、法要はその当日に行うことができなければ前倒しで行います。
現在では家族の都合に合わせて、四十九日を迎える直前の週末に行われるケースが多くあります。
□百カ日
仏教が中国に伝来し、いくつかの追善法要が加わりました。
亡くなった日から数えて100日に行うのが百カ日(ひゃっかにち)です。
お寺に集まり、読経をあげ、故人を偲ぶ時を持ちます。
□一周忌
亡くなってから1年の節目に行う法要です。
ここまでは省略していても、一周忌はすこし大きな規模で行う、という方も多くいらっしゃいます。
行うことは同じで、読経をあげ、故人を偲ぶ時を持ちます。食事をすることもあります。
□三回忌
亡くなってから2年の法要です。
間違いやすいですが、亡くなってから2回目の命日が「三回忌」です。
(例:2023年1月1日が亡くなった日であれば、2025年の1月1日が三回忌です。)
□その後の追善法要
仏教が日本に伝来したとき、以上の十仏事に加えていくつかの法要が加わりました。
・七回忌
・十三回忌
・十七回忌
・二十五回忌
・三十三回忌
それぞれの法要は、どれもお寺にあつまり読経をあげてもらい、故人を思う時を持ちます。
一度に二人以上の回忌法要を行うこともあります。
□弔い上げ
一般的には、三十三回忌かその後の五十回忌で弔い上げを行います。
弔い上げを行うと回忌法要は終了し、「先祖」という扱いになります。
故人の戒名を記した位牌を片付け、「○○家先祖の霊」の位牌になります。
●法要には誰を呼ぶ?●
葬儀を行う規模も一つの大きなお悩みかと思いますが、法要をどのくらいの規模で行うのかも一つのお悩みのポイントです。
もちろん、厳密なルールや守らなければならない慣習などはなく、ご家族でご相談の上決めてください。
例えば、葬儀は大きく行ったけれど、四十九日は一緒に住んでいた家族だけで、一周忌は近い親戚をあつめて、など参列者に変化があっても問題はありません。
そのほか故人を供養する時
仏教の教えで定められている法要のほかに、故人を思うタイミングは多くあります。
□新盆(初盆)
四十九日をすぎてから最初のお盆です。
新盆はにいぼん・しんぼん、初盆ははつぼん・ういぼん などと読みます。
地域によっては、僧侶が自宅に来て読経をあげたり、近所の方が訪ねてきたりします。
新盆の家は、軒先に出しておく提灯の色を白くするという慣習があります。これは、初めて現世に帰ってくる霊が、迷わないようにするためといわれています。
□お盆
お盆は、先祖たちが現世へ一時的に帰ってくる期間のことを言います。
わたしたちは、先祖を家に迎え入れる準備をし、家族で集まって団らんの時を過ごします。
自分たちの家族を作ってきた先祖に感謝し、思い出話に花を咲かせたり、今の生活について話をすることが先祖に対する供養になります。
お盆について詳しくは、こちらの記事でも紹介しているのでご覧ください。
お盆が7月の地域と8月の地域があるのはなぜ?|オハナクラブ>>
(日比谷花壇のお葬式が運営する他サイトに移動します)
□祥月命日
亡くなった日のことを言います。
いくつかの祥月命日は回忌法要にあたるので、お寺に集まったり食事をとったりします。
それ以外の祥月命日は、お墓参りに行ったり、ご自宅でお花をお供えしたりすることで供養になります。
□月命日(月忌・がっき)
毎月訪れる、亡くなった日にちのことです。
例えば、1月1日に亡くなったのであれば毎月1日が月命日です。
仏壇などに、お花や好きだったものをお供えして、故人のことを想います。
無宗教で行う故人を偲ぶ会
近年では、特に宗教に縁のない方は特定の宗教形式をとらない「無宗教形式」でお葬式を行う方も増えています。その場合、法要についても行うことがありませんが、亡くなってから1年の節目に「偲ぶ会」や「お別れの会」という形で故人を偲ぶことがあります。
「お別れの会」というと、法人の代表や芸能人など関係者が多いときに行われる印象があるかもしれませんが、個人のお別れの会も増えています。ご家族だけでなくご友人を招いて、生前の思い出を語り合う時間は故人の供養になります。
形式も、スピーチなどを行う式典形式、立食パーティーの形式をとったものなど様々あり、ご家族や参列者のみなさまの状況、関係性にあわせて開催することができます。
日比谷花壇のお別れナビでは、お別れの会のご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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法要は故人を想って供養する大切な時間
法要を行うとなると、業者を手配したり親族をお招きしたりとやることがたくさんあり、たしかに大変です。しかし、その中で故人のことがじんわりと偲ばれ、想うことがなによりの供養です。
現代では高齢化が進み、回忌法要でたくさんの親族が集まることも少なくなってきました。親族が集まる機会としても法要は大切だといえます。普段話す機会のない親族とお話をし、聞いたことのない故人のエピソードが聞けるかもしれません。
また、たくさんの人数で集まらなくても、改めて故人を偲ぶ機会があれば、悲しみやさみしさを癒してくれることでしょう。
日比谷花壇のお葬式では、いざというときのお迎えから、葬儀の進行、アフターサービスまで一貫してお手伝いしています。もちろん、葬儀後の法要も承っております。
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