お通夜や葬儀、告別式などの仏事に小さな子どもが参列しなければならないこともあるでしょう。そのときに頭を悩ませるのが子どもに着せる喪服です。子どもは大人のように喪服を用意していないことが多く、何を着せたらいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。また、子どもは成長が早いため、喪服を揃えるべきかどうか悩んでいる人もいるかもしれません。ここでは、仏事に参列するキッズや女の子の喪服マナーについて解説します。
学校に制服がある場合は、制服がそのまま喪服となります。黒や濃いグレーなどの控えめな色が望ましく、赤などの鮮やかな色のリボンやネクタイは外しましょう。制服に帽子が指定されている場合もありますが、それも不要です。靴下は黒が基本ですが、白やグレーなどの無地でも構いません。ただし、ショートソックス、ニーハイソックスは避けます。靴は黒の革靴、あるいは白や紺などのスニーカーで問題ないでしょう。
女の子の場合、大人ほど厳格である必要はありませんが、故人を偲ぶ場であることを考えて華美にならず、清潔感のある髪型を心掛けましょう。髪が長ければ、頭の高い位置ではなく、耳より下で髪を束ねます。ぼさぼさな髪やお辞儀をして髪が顔にかかるのもNGです。黒いピンやゴムを使って、髪型をすっきりとさせましょう。余計なアクセサリーを付けず、バレッタは黒いものを選びます。バッグは持っても構いませんが、光沢や金具のあるものを避け、地味なものにしましょう。
子どもの場合は、制服があれば制服が喪服になるため、夏は夏用、冬は冬用の制服で参列できます。しかし、制服がないときはどうしたら良いでしょうか。季節の普段着にベストやブレザーでフォーマル感を出したいところですが、小さな子どもではそうした洋服がないかもしれません。また、普段気慣れない洋服を無理に着せることで、参列中に子どもがぐずる可能性もあります。ここでは、子どもの喪服を選ぶときに、季節で気を付けなければならないポイントをご紹介します。
夏場ですから、子どもの負担にならないような恰好を優先させて考える必要がありますが、あくまでも弔事であるため、子どもでも守らなければならない最低限のマナーがあります。当然ながら、裸足やサンダル、露出度の高い服装は厳禁です。また、夏場は派手で明るめの洋服が多く、黒や紺、グレーのような落ち着いた色合いの洋服がなかなか見つからないかもしれません。そのときには、普段着の中から通気性がよく、喪服に代用できるものを選びましょう。また、気慣れない服で子どもがぐずりそうな場合には白、黒、紺のポロシャツなどもおすすめです。
冬場は納棺や火葬場などで外に出ることがあるため、コートが必要です。しかし、会場に入る前にコートは脱ぎましょう。また、シンプルなデザインで黒や紺のように落ち着いた色合いのものを選び、フードやファー(フェイクファー)が付いている場合はあらかじめ外しておきます。デザインや色に注意すれば、ダウンでも問題はありません。また、黒のカーディガンやスクールセーターも着用可です。雪の日に無理をして革靴を履かせる必要はなく、子どもが寒がればブーツを履いても問題ないでしょう。
学校の制服がない場合には、代用となる喪服を用意しなければなりません。子どもはすぐに成長するので、高価な喪服を一式購入したとしてもあっという間に着れなくなってしまいます。突然の弔事に慌てて用意するのも大変ですが、制服の代用として子どもの喪服を準備するにはどのような選択肢があるのでしょうか。
制服の代用として喪服を購入したいという場合には、弔事以外の入学式や発表会にも着回しできるようなフォーマルな洋服を購入するのが良いでしょう。例えば、ユニクロの場合、動きやすくお手入れが簡単で、フォーマルな場にふさわしい洋服が数多くそろっています。サイズは100~160で、価格帯は1,500円~4,000円程度です。サイズによっては1,000円未満のものもあります。ネットでも購入可能ですが、店舗が多いため急な入用でもすぐに買いに行けて便利です。
たとえ手頃な値段で購入しても子どもの成長は早く、すぐに着れなくなるのは事実です。そこで、喪服のレンタルがあります。レンタルならば、喪服だけでなく靴や小物、コートなど一式まとめて借りることができますし、中には葬儀社でレンタルできることもあります。ネットでレンタルした場合には最短で翌日に届くサービスもあり、高級な喪服を購入すれば高額になりますが、レンタルならば費用をかなり抑えることができます。普段着の代用を考えるならば、上質な喪服をお手頃な価格でレンタルするのもいいかもしれません。
子どもは成長が早く、子ども用の喪服をわざわざ一式揃える必要はないでしょう。仏事のマナーを押さえ、故人を送り出すことができるならば、制服でも普段着を代用したものでも、お手頃価格で着回し可能なフォーマルでもレンタルでも構いません。特に冬場は参列する子どもが風邪をひかないようにすることを第一に考えても良いでしょう。
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