葬儀費用の負担軽減!「葬祭費」の申請について






葬祭費の申請はいつまでに、どこに行けばよい?

国民健康保険の「葬祭費」とは?

国民健康保険の運営について定めた「国民健康保険法」には、「葬祭費」についての記述があります。これは国民健康保険の給付金の一種で、被保険者(加入者)やその扶養家族が亡くなった場合に葬儀費用の一部を国民健康保険で負担するというものです。

後期高齢者医療制度も対象

国民健康保険の加入者は75歳未満の自営業者または年金受給者で、満75歳になると「後期高齢者医療制度」に移行しますが、この後期高齢者医療制度の被保険者も葬祭費給付の対象となります。

申請先と期限は?

給付を受けるためには、亡くなった人の住民票がある市区町村役場の国民健康保険課に申請する必要があります。申請の期限は、葬儀が行われた日から2年間です。2年を過ぎると申請ができなくなり、給付を受けられなくなるので忘れずに申請することが必要です。

給付額は自治体によって異なる

葬祭費の金額はおおむね1万円~7万円となっており、自治体により異なります。東京23区では一律で7万円となっており、その周辺の自治体では3万円~5万円となっているところが多いです。

葬祭費と埋葬料の違いとは

葬祭費と類似したものに「埋葬料」というものがありますが、こちらは国民健康保険以外の健康保険(健康保険組合や全国健康保険協会)が支給しているものです。対象となるのは被保険者とその扶養家族で、扶養家族の場合は「家族埋葬料」という名目になりますが、金額はどちらも5万円が上限となっています。申請の期限は葬祭費と同じく2年間ですが、起算日が異なるので注意が必要です。葬祭費は葬儀が行われた日を起算日としていますが、埋葬料は亡くなった日から起算します。

埋葬料の給付が受けられるのは、あくまで健康保険に加入している期間中です。組合健保などの健康保険に加入するのは会社に勤める人ですが、退職後は資格を喪失し、個人で国民健康保険に入ることになります。したがって健康保険からの埋葬料を受けられるのは、在職中に死去した場合です。

葬祭費は給付されない場合もある

葬祭費・埋葬料はどちらも葬儀にかかる費用の補助という位置づけとなっていますが、実は支給対象に違いがあります。埋葬料は葬儀を行っても行わなくても給付を受けられますが、葬祭費は直葬(火葬のみで葬儀を行わない)の場合、自治体によっては支給が受けられないケースもあるので確認が必要です。

葬祭費の申請ができる人と必要なものは?

葬祭費は葬儀を執り行った人、すなわち喪主に対して支給されるものです。したがって、申請ができるのも喪主本人となります。申請する際は、以下のものが必要です。

・会葬礼状や葬祭費用の領収証(葬儀を執り行ったことの証明となるもの。領収証には喪主のフルネーム記載)

・喪主の銀行口座がわかるもの(通帳など。葬祭費の振込先となる)

・喪主の印鑑

・亡くなった人の被保険者証

自治体によっては喪主の本人確認書類が必要となる場合もあります。また、振込先に喪主以外の人の口座を指定できる自治体もありますが、その場合は委任状が必要です。

葬祭費は相続税に関係してくる?

葬祭費に税金は一切かからない

葬祭費は人が亡くなった際に下りるお金なので、相続税との関連を心配する人もいるかもしれません。ですが葬祭費はあくまで国民健康保険や後期高齢者医療制度から支給される「給付金」です。相続税は亡くなった人の財産を相続する際にかかる税金ですが、給付金は故人の財産には含まれず、関係もありません。したがって葬祭費に相続税は一切かかりません。また給付金は所得とみなされないため所得税もかからず、確定申告も不要です。

葬儀費用の一部は非課税

葬祭費に相続税がかからないだけでなく、むしろ葬儀費用によって相続税を節税することも可能です。葬儀費用というのはあくまで遺族が負担するものであって、亡くなった人が払うべきものではありません。ですがそもそも亡くなったために発生した費用なので、債務と同じく控除の対象とすることが認められているのです。相続する財産から葬儀費用をマイナスした残りの額に対して課税されるので、その分相続税を減らすことができます。

ただし、控除の対象となる費用については定めがあり、葬儀にかかった全額が対象となるわけではありません。対象となるのは埋葬や葬儀・告別式にかかった費用です。葬儀会社やお寺・神社などへの支払いや、会葬者にふるまう飲食の費用、それに手伝ってくれた人への心付けなどがこれに当たります。香典返しやお墓の購入費用、お花代や法事(初七日や四十九日)の費用などは含まれません。原則としてすべて領収証が必要ですが、お寺や神社へのお布施など領収証が出ないものについては、いつどこへいくら払ったかをメモしておけば大丈夫です。

葬祭費は忘れずに申請して葬儀費用の一助に

葬儀の際は何かと費用がかかりますから、少しでも補助が受けられるのであれば助かります。しかし葬祭費というものがあることを知らない人も多いのではないでしょうか。葬祭費は申請が必要なので、その場になって慌てないよう事前に知識を得ておくことが大切です。今回紹介した内容を参考に、必要な準備をして期限までに忘れずに申請を行うようにしましょう。

この記事を書いた⼈

日比谷花壇のお葬式 コラム編集部




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