相続税路線価とは?土地評価の方法・計算方法について解説






土地の評価方法について

土地を売買したり、土地の所有者が固定資産税を支払ったり、亡くなった人が所有していた土地を相続する場合に、もしその土地の金額の評価基準がバラバラだとあまり公平とは言えないでしょう。このように、土地の売買金額や土地に絡む税金を計算する際には、公平性を保つための基準が設けられていて、そのために用いられるのが「土地の評価方法」です。特に固定資産税や相続税などの税金を計算する際には、土地価格の基準を明確にして公平性が保たれる必要があります。土地の評価方法は、目的によって4種類に分けられています。その4種類が時価、公示価格、固定資産税評価額、相続税評価額です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

時価

時価は別名「実勢価格」とも呼ばれ、売主と買主間による土地の売買に用いられる評価方法です。これは土地の売買契約が実際に成立したときの金額のことであり、景気や需要、当事者間の交渉などの要因によって大きく変わるのが特徴です。

公示価格

公示価格とは、公共工事の土地売買などの際に基準とされる金額です。時価とは違い、国によって定められる公平性の高い基準価格と言うことができるため、後述する固定資産税評価額や相続税評価額を計算する際にも基準値として使われます。国土交通省の土地鑑定委員会によって毎年1月1日に算定され、その年の3月下旬頃に公表されます。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とはその名が示す通り、土地や家屋を所有している人が支払う固定資産税を計算するために用いられる価格です。固定資産税評価額は市区町村によって毎年1月1日時点の土地の基準価格が定められ、3年ごとに見直しが行われるのが特徴です。固定資産税評価額はあくまで目安ですが、公示価格の70%程度とされています。

相続税評価額

土地や家屋の相続を受ける際には必ず相続税を支払わなければなりませんが、この税額を決めるために用いられるのが相続税評価額です。相続税評価額は国税庁によって毎年1月1日時点の基準価格が定められ、その年の7月上旬頃に公表されます。ここでの注意点は、相続税は相続があったその年の評価額が適用されるという点です。例えば、令和3年3月に土地の相続があった場合、相続税の額は7月上旬にならないとわからないということになります。相続税の支払い期限は相続があった時から10ヶ月以内と定められていますので、タイミングによっては期日の余裕がない場合もあります。納付が遅れることがないように注意しましょう。相続税評価額は、目安として公示価格の80%程度とされています。しかし、実際に相続税評価額が計算される際に用いられるのは、相続税路線価というものです。

相続税路線価とは

相続税路線価とは、相続税評価額を算定するために用いられる道路に付けられた価格のことです。「なぜ土地の価格を算出するのに道路の価格が出てくるのか?」と不思議に思う方もいるかもしれません。主に都市部においては土地が道路に面していることが多く、土地ひとつずつに価格を付けるよりも遥かに効率が良いからです。

路線価については、国税庁のホームページ内の「路線価図・評価倍率表」から調べることができます。また、自宅にインターネット環境がない方は税務署でも調べることが可能です。路線価図を見てみると道路に数字が書かれていますが、これが路線価と呼ばれるものです。単位は千円で、1平方メートルあたりの価格を表しています。例えば、道路上に「300」と書かれていた場合、この道路に面した土地の路線価は1平方メートルあたり30万円という意味になります。

土地の評価方法について!路線価方式?倍率方式?

実際には路線価に土地の広さを掛ければ、それがそのまま相続税評価額になるというわけではありません。おおよその金額は算出できますが、土地によって奥行きが違ったり、形状が複雑だったりします。この違いを考慮して用いられるのが補正値で、これにより土地間の公平性を保っています。

では、土地や家屋が道路に面していない田舎の場合はどのように土地が評価されるのでしょうか。ここで用いられるのが、倍率方式というものです。道路に面していないなどの理由で路線価が設定されていない地域では、その土地の固定資産税の額に一定の倍率を掛けて相続税評価額が計算されます。ここでの注意点は、その年の固定資産税額が確定しないと相続税評価額も確定しないということです。固定資産税が確定するのは、大体4月頃です。例えば、令和3年2月に被相続人が亡くなった場合、倍率方式が適用される土地においては、4月以降にならなければ相続税が確定しないということになります。

いざというときのために相続税評価額を覚えておきましょう

土地を相続する際に、相続税を支払わなければならないということは知っていても、それがどのように計算されるのかを知っている人は多くありません。相続を受けるかもしれないというときに、相続税評価額の知識を持っておけば「どれくらいの相続税になるのか?」をある程度把握することが可能です。いざというときに慌てることがないよう、今回の内容をしっかり覚えておくことをおすすめします。

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日比谷花壇のお葬式 コラム編集部




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