「遺言」による遺留分侵害額請求にならないための対策とは?






遺留分侵害とは?

遺留分侵害とは、法定相続人が最低限保証されている遺留分の権利まで侵害されている状況のことです。本来、法定相続人には被相続人との関係によってそれぞれ遺産の法定相続分が決められていますが、遺言で相続財産の分け方が指定されている場合、本来の取得割合に満たない法定相続人が生じます。また、生前贈与や死因贈与でも不平等な分け方になってしまうケースは少なくありません。法定相続人全員が納得しているならそのままでも問題はありませんが、自分の権利を主張したいという場合には、一定の範囲内の法定相続人は遺留分侵害額請求をすることにより、定められた割合の相続財産を取り戻すことが可能です。なお、生前贈与については2018年7月に民法改正が行われ、相続開始前10年以内に贈与を受けた財産のみが請求対象となります。

遺留分が認められているのは被相続人の配偶者、子どもや孫などの直系卑属、親、祖父母などの直系尊属に限られており、兄弟姉妹や甥、姪については認められていません。また、請求できる期間は時効があり、相続開始から10年以内、または遺留分侵害を知ってから1年以内に手続きをする必要があります。遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合には遺産全体の3分の1、配偶者や子供が相続人に含まれている場合には2分の1の総体的遺留分に、本来の法定相続持分を乗じたものです。法定相続分より割合は下がりますが、遺言や遺贈よりも強い効力を持っているため、請求された側は遺留分相当額を返還しなければなりません。

遺留分侵害額請求とは?

法定相続人にとって不平等な遺言や贈与等により、遺留分を侵害された場合にそれを取り戻すべく行う手続きが遺留分侵害額請求です。元々は遺留分減殺請求といわれていた手続きに近いものですが、減殺請求では相続した遺産そのもの、つまり不動産や動産類を請求することもできたため、不動産の共有状態などが生じていました。元々遺産相続でもめる間柄だった相続人同士が共有した場合、その不動産の管理や納税、処分など話がまとまりにくくなることは明らかです。そこで法改正が行われ、2019年7月1日以降に発生した相続については、遺産そのものではなく遺留分相当額のお金を請求する権利に変更されたという経緯があります。

遺留分侵害額請求の方法はいくつかあります。最も簡単なのが当事者間の話し合いで、法定相続分より多く受け取った相手に対して連絡を取り、遺留分相当額を払うよう請求する手続きです。元々良好な関係であれば手間のかからない方法ですが、話し合いが困難と予測される場合には、時効の成立を防ぐために内容証明郵便で請求書を送るのが良いでしょう。本人同士の話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に遺留分侵害額の請求調停を申し立てて、調停委員のサポートを受けながら話し合いをします。この場合、法的に問題がなければ遺留分を払うように調停委員が説得してくれるため、当人同士よりもまとまりやすいです。調停で合意できない、相手方が出廷しないという場合には、遺留分侵害額請求の訴訟を行います。こちらは当事者不在でも支払い命令が下されるため確実に遺留分を取り戻せますが、証拠書類の準備や訴状の作成及び複数回の出廷など、手間が煩雑です。

「遺言」による遺留分侵害額請求にならないための対策とは?

遺言で法定相続分とは異なる相続を考えているのならば、できるだけもめないように事前に対策を立てておくことも可能です。遺言書には必要最低限の内容しか記載されないため、本人の意向が相続人に伝わりにくいという欠点があります。しかし、本文の後に付言事項として自由に言いたいことを記載してもらえますので、そちらである程度指示を出すことは可能です。

まず、どういう理由でその財産を特定の相手に相続させるのかを説明しておきます。介護や生活の援助などの寄与度、生前贈与の有無などの理由を書いておけば、訳も分からずに取得分を減らされるよりも納得しやすいでしょう。話し合いが可能であれば、相続人全員に遺言の内容について説明し、理解を求めることも可能です。また、遺言執行者として法律のプロである弁護士や司法書士を指定しておくのも良いでしょう。第三者が間に入るので遺言の執行に対して公平性を疑われる心配がなくなりますし、感情的な話し合いになりにくいという利点があります。

遺留分侵害額請求が避けられそうにない場合には、不動産や動産などを処分せずに済むように、換価が容易な遺産をある程度残しておくのも一つの方法です。預貯金として残しておくと請求されたときの換価が最も楽になりますが、金額が不足しそうな場合には、生命保険に加入して保険料を支払うことで相続財産を減らすという方法もあります。保険金の受取人として請求される人を指定しておくと、遺留分の支払い原資としてその保険金を使うことも可能です。

できるだけ法定相続人が納得できる形で

良かれと思って遺言や生前贈与をしても、法定相続人同士がもめるのはほとんどの人にとって本意ではありません。そのため、終活の一環で相続準備をするときには、できるだけ関係者全員が納得できるような形を目指して手続きをするのが望ましいですし、万が一いさかいが生じる可能性があるなら、遺産を相続した人の負担が少なくなるように準備しておいた方が良いでしょう。

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