仏式葬儀とは?






仏教における葬儀の意味と死について

 仏教の基本的な教理においては、死は無常や苦の代表的あるいは象徴的な事例として登場します。また死を介してあらゆる生命は輪廻転生を繰り返すとされていますが、悟りにより苦を脱した涅槃の境地に達して輪廻の繰り返しからも脱する事が可能と言われています。

その涅槃の境地に達して輪廻から解脱した存在が仏であると言えるのですが、各宗派の考え方の共通項を挙げるならば、死は多かれ少なかれ成仏する事の契機と捉える事が普通です。

例えば浄土真宗で人は死して浄土に帰って仏になり、悟りをひらく。仏になるのは浄土に行き初めて可能になるとされているのはその典型的な事例と言えます。また禅宗系など悟りを得るために一定の修業が必要になるという考えがある宗派においても、死に際して受戒の儀式を受ければ既ち緒仏の位に入ると説明するなど、死と死に付随する儀式が成仏の契機になり得るという立場をとっているのです。

そのため、仏教では葬儀とは生者であった者が仏へ転化する事に関わる儀式であると言えるのです。

どの僧侶にどう頼めばいいのか

 仏式葬儀においては僧侶の存在は欠かせません。葬儀を司る僧侶はかつては菩提寺の住職にお願いするのが一般的でした。ですが今では菩提寺を持たない人も増えたのです。そのため、葬儀を仏式で行う時に第一に考えたいのは故人が希望していた寺院や僧侶の存在の事で故人がどんな宗派を一番親しみを感じていたのか、という事です。

もしも、故人が希望していた寺院がある時にはその住職に連絡を入れます。また故人の生家が奉じているなど特定の宗派の存在が明らかならば、その宗派の最寄りの寺院の住職に連絡します。

菩提寺があるらしいけれどもよく分からない時には、親戚の中の年長者に聞くなどしてみれば分かります。

菩提寺の宗派すらも分からない時にはとりあえず交通の便などを優先してお寺を選択するといいでしょう。しかし、葬儀の形式や戒名の付け方は宗派により違います。戒名などは後から変更が難しいですから、親戚との関係や後々の供養の形式などまで考慮して慎重に決定する事が大事です。

葬儀と告別式はどう違うのか?

 葬儀と告別式は同じような意味で使われる事が多いですが、元々は別々のものです。葬儀は導師などと言われる僧侶などが主宰する中心的な宗教儀礼であって、死者を仏弟子として仏の元に送り出すものです。告別式は基本的には喪主が主宰する故人との私的であると同時に社会的なお別れの儀式を言います。

ですが今ではよほど大きい規模の葬儀にならない限りは葬儀と告別式は分けられる事はありません。2つの儀式を切れめなく、もしくは2つの儀式の間に形式的な閉式、開式宣言を挟むだけで実質的には連続して行うようになっています。

自宅でするものであれば、僧侶の入場から始まって読経、喪主・遺族・親戚・一般会葬者の焼香、喪主もしくは親族代表の挨拶などで終える事が多いです。今では葬儀と告別式を分ける事に宗教的なもの以外の実効的な意義はほとんど失われたと言えます。
しかしはっきりと区別する、しないのいずれでも葬儀・告別式をどんな手順、形式で行うのか、喪主は前日の通夜までに、世話役や葬儀を司る僧侶とも十分に打ち合わせをしておかないといけません。意味や意義はさておき、手順や形式は葬儀に参加する人に必要不可欠な目安になるためです。

最後に

 葬儀は生者にとっても重要な意味があります。死はその人を知る全ての人にとって多かれ少なかれ驚きになり、衝撃的です。特に遺族、近親者や親しい友人にとっては大きな喪失体験になります。ですが、普段人はめったに死を意識する事はありませんが、葬儀を通して自己の死を見つめて、生を考える事になる重要な機会とも言えるのです。

この記事を書いた⼈

日比谷花壇のお葬式 コラム編集部




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