多くの場合、亡くなる前に入院をしており、主治医から危篤の知らせを受けます。すぐに行うことは近親者への連絡です。受付など葬儀の進行に欠かせない方もおり、いち早く伝えることで確実な参加が見込めますし、予定を空けておくことが容易になるでしょう。
親しかった友人や職場関係の方など、必ず参列する方々にも連絡を入れます。危篤状態になったこと、いつまでに来てほしいかという内容を伝えますので、メモなどに書いておくと連絡漏れが無くなるでしょう。また、亡くなるまでにエンディングノートを作成してもらっていると連絡する人を判断する手間がありません。
次に、現金の用意をします。葬儀は数百万円かかることも珍しくありませんが、費用の多くは後日の支払いで問題ありません。しかしお布施やスタッフへの心づけは葬儀当日に必要となります。
相続が確定するまでは故人の銀行口座は凍結されますので、喪主自身のお金で建て替えておくのが望ましいですが、手持ちの現金が無く、頼れる方もいない場合は事前に故人を代理して預貯金をおろしておく必要があります。
臨終が主治医から告げられ、死亡時刻が確定します。しかしすぐに火葬の準備が行われるわけではなく、いくつかの儀式があります。
末期の水は故人の口に水を含ませた脱脂綿を当てます。続いて清拭と呼ばれる、ご遺体をアルコールを含ませた脱脂綿で拭く儀式、肛門や耳など、体液が流出しそうな部分に脱脂綿を詰める処置が行われます。入院をした状態で亡くなったときはここまでが病院で行われ、死に化粧については葬儀社のスタッフが行うことになります。
故人が女性で気に入った化粧品があるときはそちらを使用することも可能です。ただし、死に化粧は場合によって感染症のリスクがあるので、身内だけで行わないようにしましょう。遺体の損傷は意外と早く、適切なケアが絶対に不可欠です。
納棺が終わると、葬儀社との打ち合わせに入ります。通夜や告別式の時間、参列者の席次、お供えの受付などを決めていきます。
同時進行でその他の親族、知人、関係各所への連絡を行い、葬儀で係を務める方には当日の集合時間や流れを説明します。非常にやることが多いですが、慣れていないことは葬儀社の方もご存知ですから、必要事項をまとめ、葬儀の進行に問題が無いよう話を進めてくれます。
連絡や葬儀社との打ち合わせが済むと、通夜が行われます。
通夜終了後は、ろうそくや線香の火を絶やしてはいけません。しかし、火事の心配がありますから、順番に見張りをしておく必要があります。葬儀の打ち合わせ内容についても再度確認をしておきましょう。
葬儀は開式から僧侶の読経、遺族による焼香、弔辞・弔電の披露、喪主挨拶、出棺という流れで行われます。火葬に参加する方以外は出棺をもって故人とお別れをすることになりますから、出棺の儀では参列者が故人に花を飾り、ゆかりのある品物を棺の中に入れます。その後釘で封をされ、近親者の男性6名で霊柩車へ運びます。
火葬場では僧侶の読経と焼香が行われ、本当に最後のお別れのタイミングとなります。遺族としてはお別れが最も現実的となる瞬間であり、火葬中の1~2時間は故人を偲びながら会食をします。火葬後は初七日法要が繰り上げられて行われます。
危篤の時から初七日法要が終了するまでには多くのプロセスがあり、関係者への連絡を優先させ、その他の手続きや打ち合わせは通夜の後に夜通しかけて行われるケースが多いです。生前に決めておくほどスムーズに進みますが、不謹慎だと感じる方もいます。故人を大切にする気持ちを最優先にし、あくまでも故人のためを思って準備を行いましょう。葬儀は故人への最後の思いやりであり、具体的な行動です。
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