作成日:2015年04月01日 更新日:2022年08月22日
葬儀とは別に、お別れの会というものがあるのをご存知でしょうか。どちらかというと、芸能人が葬儀の後で行うことでよく知られるようになった言葉です。しかし、近年では一般的な範囲での付き合いしかしてこなかった故人の場合でもこのような会を執り行うケースが多くみられ、葬儀社でも専用のプランが用意されているほどです。
お別れの会というのは偲ぶ会とも呼ばれており、葬儀を終えてしばらくたってから生前に故人と関わりのあった人を招いて行う催しです。通常は、友人や知人、会社関係者なども葬儀に参列して別れを告げますが、近年では家族葬などの近親者のみで行われる葬儀も増えてきました。
そこで、家族葬などで参列できなかった人を招いて葬儀よりも自由な形式で故人にお別れを告げるというのがこの会の趣旨です。内容も葬儀のような儀式的なものではなく、遺族が生前の故人への厚情に感謝しておもてなしをすることに重きが置かれており、重々しい雰囲気ではありません。
招待された場合には、招待状に香典等が不要と書かれていなければ、会費として1~2万円ほど包みます。平服を指定してくることも多いですが、故人を偲ぶという名目がある以上、ダークスーツや黒っぽいワンピースなどの略喪服がお勧めです。会場がホテルなどのおめでたい場面でも使われる場所になることもあるため、TPOには配慮しましょう。
お別れの会では、葬儀と比べると宗教色がないものがほとんどです。葬儀にも使われるセレモニーホールのほか、ホテルなど充実したおもてなしができる会場が選ばれることもあります。着付け、送迎などはホテルが行い、案内状の作成や式の進行などは葬儀社が行うなど、作業を分担したプランもあります。
お別れの会の進行は、あらかじめ用意されているプランや主催者の意向によってかなり違いがあります。大きく分けると、告別式に近い形で行われるセレモニータイプのほか、献花を終えてから食事や会話の時間を確保し、それぞれの都合に応じて自由に解散するというパーティータイプがあります。また、故人とのお別れもしっかり儀式にのっとって行い、食事などのパーティースタイルも取り入れたミックスタイプなどもあります。
故人の遺品や写真を陳列したり、故人が好きだった音楽を流したりと、会自体は故人にかかわりのある内容を盛り込んだものになっていることが多いです。
お別れの会を開くときには、葬儀が近親者だけになっていることが多く、一般葬よりも費用が安く抑えられています。では、家族葬とお別れの会を開催したほうが安上がりなのかというと、必ずしもそうとは限りません。お別れの会は招待する人数によって、利用する会場の規模や必要なスタッフの人数が異なってきます。また、演出や引き物、料理などのランクをどの程度にするかによってもかなり金額に開きが出てきます。
内容にもよりますが、一般的には招待する人数一人につき、1~2万円程度の費用が必要になると考えておくとよいでしょう。オリジナルの演出やオプションなどを加えると、さらに金額は高くなります。一方で、お別れの会でも葬儀と同じように香典を受け取ることができます。これを会費に充てるとすれば、ある程度手出しは抑えられます。
通常、お別れ会は葬儀から1カ月以上経過してから開かれています。その間に主催者側でゆっくり検討するとよいでしょう。
このように、一般の人であってもお別れの会を開催するのは意外と簡単です。ただ、自由に参列できる一般葬とは異なり、前もって出欠確認を取らなければならないという違いがありますので、とりあえず誰を招待するのかは早めに取りまとめておく必要があります。服装や香典を辞退するのかなど、招待状に記載漏れがないように気を付けましょう。