自宅葬の花祭壇の特徴や 注意するべきポイント

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自宅葬の葬儀における祭壇の意味

 どの宗教の葬儀でも、祭壇を設置するのが一般的です。しかし祭壇の飾りつけのポイントや、気を付けるべき注意事項などはどの宗教も同じというわけではありません。ここでは自宅葬における祭壇の意味や、花祭壇を利用する場合の飾りつけのポイント、注意事項などを詳しく解説していきます。葬儀はほとんどの場合葬儀会場で行われますが、自宅で行うことも可能です。自宅で行う葬儀を自宅葬と言います。

自宅葬の割合は少ないと言えますが、規模の小さい葬儀が増え始めた現在、もう一度見直されている傾向にあるようです。自宅葬は住み慣れた自宅で時間に制限なく故人を見送ることができ、その点に魅力を感じて選択する人も多くいます。病院など自宅以外で過ごしていた故人の、生前の家に帰りたいという願いを叶える形で選ばれることも多いです。葬儀会場を借りる費用が抑えられるのもメリットでしょう。会場の移動が少なく、参列者の負担が軽減できるのも特徴で、高齢の方も参列しやすくなります。

周りを気にする必要がないため葬儀の自由度も高くなり、ホームパーティーのような空間にすることも可能です。しかし自由度が高くても、やはり祭壇は設置します。自宅葬はどの宗教でも行うことができるため、祭壇の意味は故人の宗派によって違ってくるでしょう。仏教や神道ならば故人を供養する意味が強く、祭壇には供物を並べるのが一般的です。仏教の葬儀では白木祭壇を使い、真ん中に遺影を配置し周りを白い花で囲みます。白木を使っているのは、急なことで塗りを施す時間がなかったという意味が含まれています。

棺を葬列に運んでいた時代に利用していた輿の名残が、祭壇の上部にあるのが特徴です。故人が迷わないようにするという意味を込めた灯篭も飾ります。仏教は殺生に関わるものは避け、果物や落雁などのお菓子を供物として並べることが多いです。神道には故人が氏神になるという考えがあり、祭壇にも神様に関するものが並べられます。例えばシンボル的な存在の三種の神器や、森羅万象を意味する五色旗などです。

また、米や魚、野菜などを神様に捧げる食事として用意します。一方キリスト教の祭壇には故人を供養する意味はなく、天へ召されることへの祝福の意味があります。従って、祭壇に供物を並べることもありません。いたってシンプルな祭壇で、十字架を中央に置き、脇には命の象徴であるロウソクを配置します。棺の周りは白い洋花を飾るのが一般的です。自宅葬の祭壇は、こういった宗教ごとの意味を汲んだものであると言えるでしょう。

自宅葬の花祭壇の飾りつけのポイント

 葬儀の形も大きく変わり、祭壇に宗教的な意味合いよりも故人らしさを表す意味を求める場合も増えてきました。そのため宗教的な意味が薄く、デザインも比較的自由にできる花祭壇で、故人らしさを表現する場合が多くなっています。花祭壇は葬儀の雰囲気が明るく優しいものになるというメリットもあり、特にゆっくりと温かい時間を過ごす自宅葬には最適でしょう。花祭壇はチューリップやフリージア、スイトピー、バラなど様々な種類の花を使って作ることができるのも魅力です。

また、自宅葬は遺族や親族のみの少人数で行う場合が多く、周りを気にする必要がありません。従って、葬儀ではあまり好まれないような派手な色の花でも使いやすくなります。この点は自宅葬における花祭壇の大きな特徴です。自宅に飾りつけるためデザインをイメージしやすいのも特徴で、故人らしさを表すのにも適していると言えます。ただし、飾りつけの際にはポイントがあります。まずは宗教ごとの祭壇の装飾品を邪魔しないようにすることです。

花祭壇を利用するとしても、最低限の宗教的な意味合いのある装飾品を並べるスペースは必要となります。たくさんの花を飾りたい気持ちも分かりますが、装飾品が隠れない程度の量にして下さい。特に神式の祭壇は装飾品が多い上に省略することがほぼないため、デザインを事前に葬儀社とよく相談しましょう。キリスト教の祭壇は、カトリックやプロテスタントといった宗派によって違いがあり、飾りつけを変える必要があるのもポイントです。カトリックは左右に花を配置し、プロテスタントでは白ゆりの十字架を飾ります。また、祭壇に宗教色を取り入れず装飾品も省く場合、ある程度スペースにゆとりがあると考えられます。

その場合は花だけでなく故人の思い出の物も一緒に、祭壇に並べるのが飾りつけのポイントです。絵画や本、洋服など故人の好きだった物を並べると良いでしょう。キャンドルを並べるケースもよくあります。スクリーンを用意し、生前の写真を映し出すことも可能です。自宅葬では、祭壇だけでなく玄関なども好きなように飾りつけできるので、家全体で飾りつけのデザインを考えるのも重要なポイントと言えます。葬儀を行うスペースがあまり取れずに花祭壇が小さくなっても、他の場所に花を飾ることで華やかさが増すでしょう。特に玄関に写真や花を飾ると、参列者の印象も良くなると考えられます。

自宅葬の花祭壇の注意事項

 自宅葬において花祭壇を取り入れるのは、自由度が高くおすすめですが、注意事項もあります。一番注意したいのが、自宅の大きさです。自宅葬を行う際は、最低限6畳ほどのスペースがあれば良いとされていますが、6畳は想像以上に狭いと言えます。棺を設置しただけでもだいぶスペースは埋まってしまい、希望するデザインの花祭壇を設置できないこともあるでしょう。葬儀を行う部屋の大きさを考慮して、花祭壇のデザインを考えるよう注意して下さい。

また自宅葬には専門知識が必要なため、実績豊富な自宅葬専門葬儀社を利用する方が良いでしょう。しかし自宅葬専門葬儀社の数は少なく、郊外などでは依頼できないこともあります。その場合はホームページなどを確認し、なるべく自宅葬の実績のある通常の葬儀社を選ぶようにしましょう。事前に葬儀社に自宅葬に対応しているか確認することも大切です。

自宅葬に花祭壇を取り入れよう

 自宅葬の祭壇の意味は、故人の宗派で変わってきます。現在は祭壇で故人らしさを表現する場合も多く、その際には花祭壇が最適です。自宅葬は自由度が高いため、花祭壇に故人の好きだった花を取り入れやすくなります。デザインも希望した通りになりやすいでしょう。しかし、葬儀を行うスペースを考慮したデザインにする必要があるので注意して下さい。素敵な花祭壇で、故人を送り出しましょう。

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この記事を書いた⼈

日比谷花壇のお葬式 コラム編集部

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