まずは返礼品についてです。返礼品には会葬御礼と香典返しの2種類あります。会葬御礼とは香典を頂いている、いないに関わらず、弔問客すべての方に渡す返礼品です。相場はおよそ500〜1000円ほどで、一般的に葬儀や通夜の当日に渡します。
一方、香典返しは香典を頂いた方に返礼品を送ることです。こちらは香典の3分の1〜半分の値段の品物を、四十九日の後の忌明けに渡します。しかし近年ではあらかじめ3000円程を相場として当日に香典返しを行う、略式のものも増えています。家族葬の場合では、親しい間柄であるため、返礼品を送らないといった選択肢もありますし、実際にそういった葬儀も行われています。
しかし、礼儀として返礼品は渡した方が良いです。そして、参列者の方々は香典を渡すことがほとんどであるので、会葬御礼と香典返しをまとめて「返礼品」として渡してしまうという方法もあります。家族葬に呼ぶ方々によってよく考えて判断することが一番大事なことでしょう。
葬儀における服装は一般的に、喪主や親族の方は和装やモーニングといった正装、参列者の方は礼服などの略礼服を着用します。しかし和装やモーニングなどの正装は買うのはもちろん、レンタルでさえも費用がかなりかかってしまいます。そこで、近年では通夜、告別式の際に喪主や親族の方も略礼服を着用するケースが増加してきています。とくに家族葬や密葬のような小規模な葬儀においてはより顕著な傾向が見られます。
しかし家族葬だからといって、一般的な黒いスーツのような服装といったあまりにも略式的なものは大学生などの、喪服をまだ持っていない若者の場合を除いて、あまり好ましいものではありません。
家族葬でも葬式は式典ですし、故人の方や親族の方々に対しても失礼に当たってしまいます。そのため、無理に和装などの格式高い正装を費用をかけて着用するまでとは言わなくても、ただの黒いスーツなどは避け、礼服などの喪服として最低限と思われる服装を心がけましょう。
普通の葬儀では、料理に関しては精進料理を用意し、肉や魚などを食べることはあまりありません。
しかし家族葬においては肉や魚を食べることは珍しくありません。その理由としては、家族葬は少人数で行うため、形式などにそこまでこだわる必要がないことと、故人に親しい方々が多いので、故人の生前好きだったものを用意し、故人を偲んで食事をする、といったことも可能であるからです。
仮に故人が好きだったレストランなどがある場合、そこに食べに行く、ということも選択肢としては考えられます。さらには、葬儀中の際には簡単な軽食で食事を済ましてしまって、葬儀が終わり、落ち着いた頃に食事をする、といったこともあり、多種多様な選択ができます。
家族葬の場合では、親族が多い以上あまりおもてなしをする必要はない場合が多いです。よって、食事などに関しては親族に対するおもてなしというよりも、故人に対して行うといった意味で行うほうが良いでしょう。
以上のように、家族葬は通常の葬儀とは異なり、あまり形式にこだわる必要がない形式の葬儀です。だからといって、礼儀を忘れていいわけではありません。礼儀を欠いてしまっては、親族や故人、その他の葬儀に関わる人々に迷惑がかかってしまいます。よって礼儀を忘れることなく、故人を送り出すためにより良い方法を考えて葬儀を執り行いましょう。
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